ChatGPTへの「ありがとう」が、数十億円のコストに!?

どうも、DOGです。
皆さんはChatGPTに質問した後、「ありがとう」って言っていますか?
実はその「ありがとう」、数十億円レベルのコストがかかっているらしいんです。
「え、どういうこと!?」って思いますよね。
今回はこのちょっとビックリな話を、分かりやすく解説していきます!
きっかけは、ある一言
ある日、Xでこんな投稿がありました。
「みんながChatGPTに『お願いします』や『ありがとう』と言うことに対する処理に、OpenAIはいくら電気代を払っているんだろう?」
この疑問に対して、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、こう答えました。
「数千万ドルの価値ある出費だよ。何がきっかけになるか分からないからね。」
なんと、「お願いします」や「ありがとう」といった丁寧な言葉を掛けることで発生する処理コストが、数千万ドルにもなるというのです!

日本円だと、為替レートによりますが、ざっくり数十億円レベルの金額になります。
なぜそんなにお金がかかるのか?
そして、なぜそれを「価値がある」と言えるのか?気になりますよね。
その辺りを解説していこうと思います。
なぜそんなにお金がかかるのか?
では初めに、「なぜそんなにお金がかかるのか」について。
これは、ChatGPTがどのような仕組みで動いているのかが分かれば分かるので、仕組みを超簡単に説明しますね。
「○○について調査してくれてありがとう」とChatGPTに送った場合の処理を考えていきます。
※厳密には異なる場合があります。
「○○について調査してくれてありがとう」というテキストを人間が入力。
入力されたテキストを、AIが理解できる形式、トークンに分けた形式に変換する。
例えば、「○○について調査してくれてありがとう」を、以下のように言葉の最小単位に分ける。
["○○", "に", "ついて", "調査", "して", "くれて", "ありがとう"]
会話の文脈や話し方、今までの学習内容を参考にしながら、「調査してくれてありがとう」=感謝しているんだなと理解する。
「次のトークンは何が自然か?」を予測しながら、返答を生成する。
例えば、[“どう”」の次は「”いたし”」が来て、その次は、「”まして”」が来るなど。
[“どう”, “いたし”, まして”, “!”,”何か”, “あれば”, “また”, “聞いて”, “ください”]
今までAIが学習してきた内容を元に、返答を生成する。
最後に自然な文章に組み立てて、画面に表示する。
例えば、「どういたしまして!何かあればまた聞いてください」など。
このように、短い言葉でも、AIが意味を理解し、それにふさわしい返答を生成するには、多くの処理が必要になります。
そしてこの処理は、データセンターというところで行われています。

データセンターには、高性能な計算用の機械であるGPUなどがびっしり並んでいて、それを何台も同時に動かしています。
また、GPUなどの機械からの発熱を抑えるための、冷却システムなども動いています。
調査によると、ChatGPT-4との1回のやり取りで、約2.9Whの電力が必要とのことです。
ChatGPTは、1日で10億を超えるやり取りをしているため、1日のエネルギー消費量は約290万kWh以上となります。

平均的な日本の家庭の1日の電気使用量は11.4kWhなので、約25万世帯に相当する量になりますね。
1人の「ありがとう」なら、そこまで大きな消費電力にはなりませんが、
ChatGPTは、全世界で何億人ものユーザーが利用しているため、莫大な電力が必要になるんですね。
そのため、数十億円ものコストがかかることになるという訳なんです。

普段何気なく使っているChatGPTには、かなり大きい見えないコストがあったんですね。
なぜその出費に価値があるのか?
次に、なぜその出費に「価値がある」と言えるのか?について考えていきたいと思います。
ユーザー体験の向上
一つ目の理由は、ユーザー体験の向上です。
「ありがとう」に対して、ChatGPTが丁寧で適切な返答をすることで、ユーザーにより心地よい体験を提供できますよね。

「ありがとう」が無視されたり、「はい」とかしか返ってこなかったらちょっと寂しいですよね。
実際に友達にお礼を言ったのに無視されたら、嫌ですよね。
丁寧な返答を返すことで、「また使おう」、「友人にもお勧めしよう」と思ってもらえます。
サービスとしての価値が上がるため、OpenAIとしては、多少コストがかかっても、「丁寧で自然な会話体験」を重視しているわけですね。
ちなみに最近の調査によると、アメリカのユーザーの67%が、ChatGPTに丁寧語を使っているそうです。
そのうち55%は「倫理的に適切であるためそうしている」と答え、
12%は、「AIの反乱が発生した時に助けてくれるかも」と答えたそうです。

私も基本は敬語で会話していますが、「AIの反乱した時の助けになるかも」なんて考えたことなかったですね。
12%は正直驚きました。皆さんの中でも、「反乱時」などを考慮して敬語を使っているって人っていますかね?
私がなぜ敬語を使うのかというと、「○○だよ~、○○してみてね!すごい!○○だね!」とかタメ口かつハイテンションの回答が来ると、ちょっとうざいので、敬語にしています。
AIの学習と改善
二つ目は、AIの学習と改善です。
ChatGPTのような生成AIは、人間との会話を元に学習をしています。
「ありがとう」という入力に対して、「どんな文脈で感謝が表現されているか」、「丁寧な口調に対してどのように返すのが自然なのか」など、情報の正確さに加えて、会話のニュアンスも学んでいます。
つまり私たちの言葉遣いは、AIが「人間らしくふるまうためのヒント」になっているわけです。
ユーザーが丁寧に話しかけることで、AIもそれを学び、より丁寧で協力的な返答を生成できるようになるんですね。

Microsoft Copilotのデザインマネージャーの方も、「丁寧な入力は、AIが協力的な返答を学ぶのに役立つ」と語っています。
まとめ
今日は、ChatGPTに「ありがとう」と言うことに対する処理に、数十億円ものコストが発生しているという話でした。
ただこれは、コストがかかるから「ありがとう」は言わないでおこうという話ではありません。
感謝の気持ちを丁寧に伝えることで、AIが人間らしさを学習し、より丁寧で自然なコミュニケーションが取れるようになります。
OpenAIは、そこにコストを掛けているという話でした。
AIだから乱暴な言葉を使っても良いと考えるのではなく、家族や友人と同様に、丁寧な言葉でコミュニケーションを取りたいですね。

AIにも人間にも、お互いに気持ちの良いコミュニケーションをするようにしていきましょう!

